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解体の建設リサイクル法の届出とは?分別解体の事前届出を施工管理8年が解説【2026年版】

解体の建設リサイクル法(7条届出)の義務・対象・誰が出すかを施工管理8年が解説。80㎡以上は工事7日前までに都道府県へ届出が必要。施主と業者の役割分担、費用、出さないとどうなるかまで実務目線でまとめます。

森田 健 二級建築士 監修

ゼネコン施工管理8年|二級建築士

・ 読了 約12分

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解体工事を頼むときに「建設リサイクル法の届出」という言葉が見積書や契約の説明で出てくると、何のことか分からず不安になる方は多いはずです。結論から言うと、延べ床面積80㎡以上の建物を解体する場合、工事に着手する7日前までに、発注者(施主)の名前で都道府県知事へ「分別解体等の計画」を届け出る義務があります(建設リサイクル法。正式名称は「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」)。

私はゼネコンで施工管理を8年担当し、解体を含む工事の届出書類のとりまとめにも関わってきました。その経験から言えるのは、この届出は法律上「施主(発注者)の義務」だが、実務では解体業者が委任を受けて代行するのが普通だということです。ここを知らないまま進めると、「自分で役所に行かないといけないの?」と慌てたり、逆に「業者がやってくれるはずだったのに出ていなかった」というトラブルにつながったりします。この記事で、誰が・いつ・何を出すのかを実務目線で整理します。

📌 結論(先に書きます)

  • 建設リサイクル法の届出は、延べ床面積80㎡以上の建物解体で必要(着工7日前までに都道府県へ)
  • 届出義務者は法律上「発注者(施主)」だが、実務では業者が委任で代行するのが一般的
  • 委任状に署名する場面があるので、誰が届出を出すかは契約前に業者へ確認しておく
  • 届出を出さずに解体すると、発注者に対して罰則(過料)の対象になり得る
  • 80㎡未満でも、廃材の分別・適正処理(マニフェスト)の義務は別途あるので「届出不要=何でもOK」ではない

建設リサイクル法の届出とは何か

結論:一定規模以上の工事で「分別解体の計画」を事前に役所へ出す制度

建設リサイクル法は、解体工事などで出るコンクリート・木材・アスファルトといった「特定建設資材」を、現場で分別して再資源化(リサイクル)することを義務づける法律です。やみくもに混ぜて壊して埋め立てるのではなく、種類ごとに分けて再利用に回す——その流れを担保するための制度だと考えてください。

この法律では、一定規模以上の工事について、工事を始める前に「どう分別して、どう再資源化するか」の計画を都道府県知事(または政令市の長)へ届け出ることを求めています。これがいわゆる「建設リサイクル法の届出」です。届出をすることで、行政側が「この現場ではきちんと分別解体が行われる前提だ」と把握できる仕組みになっています。

私が現場でこの制度を見てきた印象としては、解体は廃材が大量に出る工事だからこそ、入口で計画を行政に示させることに意味がある、というのが法の狙いです。実際の分別の手壊し・機械解体の進め方そのものは解体工事の工法の違い(手壊し・機械解体・分別解体)で詳しく解説しているので、あわせて読むと「届出した計画が現場でどう実行されるか」がイメージしやすくなります。

届出が必要になる規模(80㎡の基準)

届出が必要かどうかは、工事の規模で決まります。解体に関係する代表的な基準は次のとおりです。あくまで主要な目安であり、実際の判断は工事内容によって変わるため、最終的には業者や役所に確認してください。

工事の種類届出が必要になる規模の目安
建築物の解体延べ床面積 80㎡以上
建築物の新築・増築床面積 500㎡以上
建築物のリフォーム等(修繕・模様替)請負代金1億円以上
その他の工作物(土木等)請負代金500万円以上

戸建て住宅の解体で関係するのは一番上の「80㎡以上」です。一般的な木造2階建ての住宅は延べ床面積80㎡(約24坪)を超えることが多いため、普通の家1軒を壊すなら、ほぼ届出が必要になると考えておくと実態に近いです。逆に小さな物置や、ごく小規模な建物だけなら届出対象外になることもあります。プレハブ・物置単体の撤去についてはプレハブ・物置・倉庫の解体費用相場も参考にしてください。

誰が・いつ・どこに届出を出すのか

結論:義務者は「発注者(施主)」、提出先は都道府県、期限は着工7日前まで

ここが多くの方の疑問の核心です。建設リサイクル法の届出は、法律上は発注者(=工事を頼む施主)の義務とされています。「業者がやる手続き」と思われがちですが、条文上の義務者は施主側です。提出先は工事を行う場所を管轄する都道府県知事(政令市・中核市などでは市の窓口)で、提出期限は工事に着手する日の7日前までと定められています。

ただし実務では、施主が自分で役所の窓口に行くケースはむしろ少数です。多くは解体業者が施主から委任を受けて、書類作成から提出まで代行します。そのため契約の前後で「委任状」への署名を求められることがあります。これは違法でも怪しいことでもなく、ごく一般的な進め方です。

整理すると次のようになります。

  • 届出義務者:発注者(施主)
  • 実務上の作成・提出者:解体業者(施主の委任を受けて代行が一般的)
  • 提出先:工事場所を管轄する都道府県・政令市等の窓口
  • 期限:工事着手の7日前まで
  • 施主がやること:委任状への署名、必要に応じた情報提供

委任状にサインする場面がある

施主側で実際に発生する作業はほとんどが「委任状への署名」です。業者が用意した委任状に、発注者として署名・押印することで、届出の作成と提出を業者に任せる形になります。

ここで気をつけたいのは、委任したからといって義務がなくなるわけではない、という点です。法律上の義務者はあくまで発注者なので、「業者に任せた」と思っていたのに実は届出が出ていなかった——という事態が起きると、責任の所在が曖昧になります。だからこそ、契約段階で「届出は御社が代行してくれるのか」「いつ提出予定か」を口頭ではなく書面(契約書や見積書の備考)で確認しておくのが安全です。契約前のチェックの全体像は解体工事の契約書チェックポイントにまとめています。

届出に関する費用と、出さなかった場合のリスク

結論:代行費用は数千円〜数万円が目安、出さないと発注者に過料

届出そのものに行政手数料はかかりませんが、業者が代行する場合は書類作成の手間賃として費用が見積もりに含まれることがあります。金額の目安は次のとおりです。地域や業者の方針で幅があるため「目安」として捉えてください。

項目費用の目安備考
届出の役所手数料0円届出自体に手数料はかからない
業者の代行(書類作成)費数千〜数万円程度「諸経費」「届出費」等に含まれることも
アスベスト関連の事前調査・報告別途別の法令に基づく義務(後述)

見積書を見るときは、この「届出費」が独立項目で書かれているか、それとも諸経費に丸められているかを確認すると、内訳の透明性が分かります。項目ごとの見方は解体 見積書の見方|内訳・追加費用・ぼったくりの見分け方で項目別に解剖しているので、届出費が妥当かを判断する物差しになります。

そして最も大事なのがリスクです。届出が必要な工事で届出を出さずに着工した場合、発注者(施主)が過料(行政上の罰金的なもの)の対象になり得ます。「業者がやってくれると思っていた」では済まされず、義務者は施主だという点を忘れないでください。きちんとした業者であれば届出を欠かすことはまずありませんが、極端に安いだけの業者や手続きに無頓着な業者には注意が必要です。業者選びの目線は解体業者の選び方チェックリストを参考にしてください。

届出と「分別解体・適正処理」はセットで考える

届出はゴールではなく入口です。届け出た「分別解体の計画」どおりに現場で廃材が分別され、適正に処理されて初めて、法の目的が果たされます。そして、その処理が正しく行われた証拠が産業廃棄物の管理票(マニフェスト)です。

つまり「届出(入口)→ 分別解体(現場)→ マニフェストで処理確認(出口)」という一連の流れで、廃材の不法投棄を防ぐ設計になっています。マニフェストの確認方法は解体の産業廃棄物とマニフェスト|不法投棄を防ぐ確認方法で詳しく解説しているので、届出とあわせて押さえておくと、自分の解体が法令どおりに進んでいるかを最後まで確認できます。

解体前の手続きチェックリスト

届出を含め、解体着工前に確認しておきたい手続き関係を整理します。施主側で抜けやすい項目をまとめました。

  • 解体する建物の延べ床面積が80㎡以上かを確認した(届出要否の判断)
  • 届出を業者が代行してくれるか、契約前に書面で確認した
  • 委任状の内容(誰が・何を委任するか)を確認して署名した
  • 届出の提出予定日が着工7日前までに収まっているか確認した
  • アスベストの事前調査・報告が別途必要か業者に確認した
  • 廃材の処理がマニフェストで確認できる業者か確認した
  • 見積書の「届出費・諸経費」の内訳を確認した

このリストを契約前に埋めておくと、「届出が出ていなかった」「委任した覚えがない」といった後々のトラブルをほぼ防げます。

概算と業者比較は相見積もりで進める

届出は法令上の必須手続きですが、それを含めて適正な費用で発注するには、複数社の見積もりを比較するのが結局いちばん確実です。1社だけだと、届出費や諸経費が高いのか安いのか、計画がきちんとしているのかを判断する基準がありません。

一括見積もりサービスを使えば、建物の条件を一度入力するだけで複数業者の概算と対応を比較でき、「届出や分別解体の説明がしっかりしている業者か」を見極める初動として効率的です。相見積もりの具体的な進め方は解体工事の相見積もりの取り方と安くするコツで解説しています。

解体一括見積もりサービスで複数社の対応を比較し、本記事の手続きチェックリストと照らし合わせてみてください。なお、サービスの利用は無料のものが一般的ですが、申し込み前に費用条件はご自身で確認してください。

建設リサイクル法の届出でよくある質問(FAQ)

Q. 届出は自分(施主)が役所に行かないといけませんか?

A. 法律上の義務者は発注者(施主)ですが、実務では解体業者が委任を受けて代行するのが一般的です。多くの場合、施主がやることは業者が用意した委任状への署名だけです。自分で役所に出向く必要があるかは業者に確認してください。

Q. 80㎡未満なら何も手続きはいらないのですか?

A. 建設リサイクル法の「届出」は不要になる場合がありますが、それは「何でもOK」という意味ではありません。廃材の適正処理(マニフェストでの確認)や、アスベストに関する調査・報告などは規模に関わらず別の義務として残ります。届出不要=無手続きではない点に注意してください。

Q. 届出を出さずに解体するとどうなりますか?

A. 届出が必要な工事で届出を怠ると、発注者(施主)が過料の対象になり得ます。「業者がやると思っていた」では責任を免れません。義務者は施主なので、業者が代行する場合でも提出されたかを確認しておくのが安全です。

Q. アスベストの届出とは別物ですか?

A. 別物です。アスベスト(石綿)については建築物石綿含有建材調査などの別の法令に基づく事前調査・報告の義務があり、建設リサイクル法の届出とは制度が異なります。両方とも必要になることがあるため、解体前にアスベストのアスベスト調査・除去費用もあわせて確認してください。

Q. 委任状にサインを求められましたが大丈夫ですか?

A. 届出を業者が代行するための委任状であれば、ごく一般的な手続きです。怪しいものではありません。ただし、委任の範囲(届出の代行に限る内容か)と、業者名・工事内容が正しいかは確認してから署名してください。

まとめ

解体工事の建設リサイクル法の届出は、延べ床面積80㎡以上の建物を壊すときに、着工7日前までに発注者(施主)の名前で都道府県へ「分別解体の計画」を届け出る制度です。一般的な戸建て住宅はほぼ対象になると考えてよく、実務では解体業者が委任を受けて代行するのが普通です。

施主側でやることは委任状への署名がほとんどですが、法律上の義務者はあくまで施主であることを忘れないでください。届出を怠ると施主に過料のリスクがあるため、「届出は誰が・いつ出すのか」を契約前に書面で確認しておくのが何より安全です。届出(入口)から分別解体、マニフェストでの処理確認(出口)までを一連の流れとして押さえておけば、自分の解体が法令どおりに進んでいるかを最後まで確認できます。本記事の数値・基準はすべて一般的な目安であり、正確な要否は管轄行政や業者にご確認ください。

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